金磯焼は、小松島市金磯に新田を開発した、多田家九代当主石翁が、百三十余年前に窯を造り京都より陶工を招いて始められたものでございます。翁は、文武両道に秀で、幕末には黒船に備えて、独力で弁天山に砲台を築いたことは有名です。また。藩主蜂須加公とも親交があり文人画に長じ、茶道にも深い造詣があり、幅広く茶器・花器等、多種にわたってつくられておりました。
現当主宗篁氏は、大らかで気品の高い金磯焼を先年再興され、一段と新鮮美を加えられております。当舗は、金磯に近い地で永年菓業に励んでおりますが、このたび由緒ある金磯焼に想いを馳せ、高雅な銘菓を謹製いたしました。
何卒、ご愛顧賜ります様、ひとえにお願い申し上げます。